「コロナ検査」を拒絶する大阪市 4月7日号

「コロナ検査」を拒絶する大阪市

 知人のAさんが先週火曜日から38度以上の熱がでた。

 解熱剤をのんで上がったり下がったりだったが土曜日になっても治らず、コロナ感染を疑ってコロナの相談窓口に電話したが、何度かけなおしてもつながらなかった。

 Aさんの家族が心配して、かかりつけのP医院に電話したが、「コロナの疑いがある場合は対応できないので、相談窓口に電話してほしい」という。大阪府のコロナ相談窓口、大阪市のコロナ相談窓口、厚労省のコロナ相談窓口、に電話したが、何回電話してもつながらない。

 厚労省の窓口に最初につながったが、「地域の相談窓口に電話してほしい」という。大阪府、大阪市に何回電話してもつながらないから厚労省に電話したのだが、またすでに電話し続けている電話番号を教えてくれた。

 ネットで調べて「大阪市緊急医療相談センター」というのがわかったので電話したら、地域の緊急医療を担当している医院として大和病院、杏林病院、生野病院を教えてくれた、そして「しかしそこがコロナ対応をしているかどうかはわからない」ということで、「重症であれば、救急車を呼んでくれれば、コロナ対応ができるかもしれない」ということだった。大和病院、杏林病院、生野病院に電話したがやはり「コロナ対応」はしていないと断られた。

 結局、数時間、家族二人で電話2機を使ってひっきりなしに何百回と電話して、やっと大阪市の窓口につながった。

そこで聞かれたことは
1、「最近、外国へ行ったことがあるか?」「ない」と答えると
2、「最近、外国から帰国した人と接触したことがあるか?」「ない」と答えると、
3、「最近、大阪市から電話がかかってきたことがあるか?」それにも「ない」と答えると、それでは「かかりつけの医院へ行って診断を受けてください」ということだった。

 「最近、大阪市から電話がかかってきたことがあるか?」という質問の意味は、大阪市が「クラスター」(感染爆発を起こしている集団)の関係者を調査している対象かどうか?ということのようだ。

 結局、またかかりつけのP医院へ電話して、診断を受けたところ、「扁桃炎」(へんとうえん)という診断だったが、扁桃炎(へんとうえん)というのは、そもそもノロウイルスとかコロナウイルスとかヘルペスウイルスなどに感染して扁桃腺(へんとうせん)が腫れる病気なので、コロナにかかっていないという保証は何もない。

 それでも「コロナ検査」は受けさせてくれない。

 抗生物質を5日間飲んで治らなければ、またコロナの相談窓口へ電話してくれという話だった。

 これが今の日本の「コロナ検査」の実態だ。発熱してから10日間もたらいまわしでコロナ検査は受けられず、その間に重症化する人もいるはずだ。実際、死んでから陽性と分かった人がたくさん出ている。死んでも検査をしなければわからない人もいるだろう。

 電話の途中で家族は「見殺しにする気か!」と怒鳴ってしまったと言っていたが、まさしく今の日本のコロナ対応は「見殺し」である。

 大阪市を含めて日本のこの対応の間違っている点は、たとえコロナに感染していても普通の町医者へ行って診察を受けるしかなく、そこで一般の受診者に感染を広げることだ。

 他の国では、発熱など症状があれば、病院ではなくプレハブなどで特別の「発熱外来」を作って診察し、(韓国などではドライブスルー、車に乗ったまま検査をする) まず最初にコロナ検査をしている。日本の専門家の意見でも、これが当たり前の正しいやり方だと言っている。

 日本の厚労省のやり方は専門家の意見も聞かず、素人官僚が思いつきの対応をしているだけだ。というか、コロナ対応は何もしていないということだ!

 これでは、実際の感染者数は、発表されている数字の何十倍何百倍になるかわからない。あまりにも住民の命を軽んじた医療対応である。   (永井)

日本の医療はコロナの前から崩壊させられている!

 コロナウイルスや結核などの感染症、公衆衛生の拠点が「保健所」だが、この「保健所」は、1990年代には全国で850か所以上あった。それが
昨年2019年には472か所に減らされている。

 ほぼ半分だ。しかも「保健所」という名前ではなく「健康支援センター」とか「保険福祉センター」などと名前も変えられている。「保健所」時代より様々な業務が増えているので、本来の感染症予防の仕事ができない。電話対応さえろくにできず、検査などする余裕もない。

 減らされたのは「保健所」だけではない。90年代にはおよそ9700床あった感染症病床が2019年には1700床あまりに削減されている。

 公立病院では、昨年だけで402の病院が名指しで統廃合あるいは機能の縮小が行われている。およそこれが公立病院の30%にあたる。減らされた病院のうち48の病院が感染症指定機関になっていて、その結果およそ700床の感染症病床が消えている。

 「保健所」を全国で最初に壊滅状態にさせたのが大阪だ。2000年4月に、それまで西成区や阿倍野区など、すべての区に1カ所づつあった「保健所」は「保険福祉センター」に格下げされ、「保健所」は大阪市全体で1カ所に集約されてしまった。
もともと各区にあった「保健所」では、専任の医師が所長となって、独自の行政権も有し、それぞれの区の実情に応じた対策を講じていた。

 しかし「保険福祉センター」になったことで、権限は無くなり医師も常駐していない。

 地域の健康課題は、その区ごとで全く異なるが、保健所が各区からなくなることで、地域ごとの健康課題も見えなくなってしまった。これまで保健所がその地域のため、独自の努力と裁量で行えていたことが、市内で最低限の基準に統一されてしまった。

 また、職員の大幅な人員削減が進んで、非正規職員が増加し、今は保健師一人で1万人以上もの住民対応をしている。
 
 さらに公衆衛生、感染症予防の研究機関まで破壊したのが大阪維新だ。

 大阪維新は「大阪市立環境科学研究所(環科研)」と「大阪府立公衆衛生研究所(公衛研)」は「二重行政」だとして、2017年4月、性質の異なる二つの研究所をムリヤリくっつけて、「大阪健康安全基盤研究所」として統合してしまった。

 それまで公営で運営されてきた研究所を統合して行政法人化(格下げ)したのである。職員は大幅に削減され、現場は大混乱した。

 それまで緊急時に保健所では対応しきれない検査などを請け負ってきたが、そうした能力も削減され、保健所との連携も後退している。

 安倍政権も大阪維新も、新自由主義、金もうけ第一主義だ。金もうけにならない「公衆衛生」や「感染症予防」を切り捨ててきたツケが、今回の医療崩壊の直接の原因である。

(この記事の参考資料・「DEMO-RESE Radio」「大阪府保険医協会ホームページ」)
                (いんば)

(全国)
「保健所」の数
850か所以上(1990年代) ➡ 472か所(2019年)
「感染症病床」
9700床(1990年代)   ➡  1700床あまり(2019年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(大阪) 「保健所」各区に一つ ➡ 大阪市で一つ(2000年)

大阪市立環境科学研究所  大阪府立公衆衛生研究所
              ⇩ 廃止統合(2017年4月)
大阪健康安全基盤研究所 (行政法人化=格下げ)

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